デポジット
終わりを悟った重い足取り
だめだ まだここは何合目
ひび割れた心の隙間は
涙で満たされていた
始まりからもう無謀だった
目は臆病に遠くを見上げ
どうにもならないほどの距離を
どうにか踏ん張って
持ってても無駄だと気づく心に
気づかされたくなかったな
分かってくれない玩具だろうと
素敵なものだったから
置いて行く 道の途中で
幾重にも 大事にくるんで
僕はまだ進めるよ これからも
願わくば 帰り道の途中で
願わくば また会えることを
あなたを思えば真っ暗闇も
恋の盲目と間違えた
どんなに重い思いだろうと
あなたを思えば詰め込めた
そんなモルヒネもいつか切れると
気づいて知っていた
それでも燃えて頑張ることが
憧れに感じていたから
駆けていく 秋晴れの空を
こんなに軽く 遥か遠く
何もかも 柱を失っても
飛んで行け 勢いのままに
思い知れ 諦める力を
忘れたいわけじゃない気持ちを
ただ 悲しみや辛さで紐付けたくないだけ
何にもない この状態が
たとえ健全でないとしても
今は どこまでも飛んで行け
幾重にも 記憶で巻いた
心はあの日のまま雨にも耐える
捨てていく 覚えている
大事なもの
願わくば また会えることを
会えずとも 思い出になれることを
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