とあるメモ

救いだけじゃ救いは描ききれない
絶望もなければ救いは描けないんだよ
ある人がそう言ってた
クラシックの作曲家が楽譜に曲を描く時
彫刻家が彫刻を作る時に少しずつ少しずつ削ってゆくように
音符を一つ一つ付け足したり消したりして書いていったのだと思う
試行錯誤のたまものであり作曲労働なのだとおもう
そして完成したときドミノを倒すように次々と一音一音が鳴りドラマが描かれる
一楽章起
二楽章承
三楽章転
四楽章結
と続いていくのである
作曲家とゆうのはどうゆう頭をしているのだろうか
脳内その空間で音が鳴り
それを楽譜に展開し描写している
そこには一つの物語がある
登場人物AはBに道端でぱったり出会った
AはBを知っているだから公園で話した
AはBがあの日のことを知っていることを知る
だからAはBとそのことは内緒にしようと約束した
とこのように起承転結があり
一つの結論がある
そしてそこには喜怒哀楽もあり
それが複雑に絡み合いドラマとなっている
宗教であり人々の心の拠り所なのだ
真理とは人が生まれた時から追い求めた普遍的なもの
芸術でそれを追い求め
曲で一つの世界を作り
その中で人が動きドラマが動き答えを出す
指揮者の強烈性が曲を一変させてしまうとゆうもう一つの側面もある
聴衆は好みの指揮者それについて行く
この指揮棒の先の先に描く世界を見てください
一緒にそこへ行きましょう
とゆうことなのだと思う
老若男女そして
聖人も罪人も
ありとあらゆる事情を抱えた人たちが皆平等に一つのハッピーエンドへ向かう
それを静かに目撃する瞬間はとにもかくにも美しい
コンサートホールそこは現代の教会であり宗教であり崇高な儀式の場所である
十字架を切ったり聖書を読まずして神秘的なものに触れ世の真理に肉薄できる貴重な場所なのだから
芸術と一言で片付けるにはもったいなさすぎる
自分の信じるものと言ったほうが適切である
それが現代人がなくしてしまった貴重ななにかである

23/09/01 12:22更新 / 伸一郎
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