主よ憐れみたまえ
主の声が聞こえる
主はこう言った
嘘をつくな
青い空 その下に草原
綺麗な澄んだ空気が肺に満たされる
僕はそんな世界に
憧れている
だが現実は灰色のビルディング
排気ガスに雑踏の騒音
その中で俺は清掃をしている
素敵な彼女なんていない
家族もいない
だからどうした
最初から期待してない
タクシードライバーのトラヴィスのように
俺は映画館で洒落た映画に涙していた
チカチカしたフィルムの光が俺を照らす太陽代わり
昼飯のポップコーンを食べながら
こんな世界に嫌気が差した
ハレンチな界隈からやって来たエリー
俺はモップを絞り彼女の汚したアスファルトを拭いた
今日も希望がなく俺は汚いアパートに帰った
ブラウン管のテレビをバットで叩き割る
閃光が頭に走る
荘厳な教会の壁画が浮かぶ
だが気のせい
美術の教科書のミケランジェロ
それのフラッシュバックだ
FAXからはひっきりなしに白紙の紙が印刷
足元まで延びている
誰がやっているのかもわからない
今日も俺は眠る
飼い猫なんていない
イマジナリーフレンドのテディが添い寝
主よ憐れみたまえ
テディがレクイエムを子守唄のように歌う
精神科医に言われたことがある
嘘をつくなと
だけど俺は壊れる
壊れたくないから
パンクしたタイヤみたいに
ソリッドすぎて
どうしようもない
エスプレッソは苦くて
甘いものを求めるように
俺は快楽を求めた
悲しみが俺を侵食する前に
麻痺しないと
こんな世界耐えられないから
嘘は劇薬
人を麻痺させる
モラルが麻痺し次々と器官が壊れてく
精神科医も投与できない薬
神様がいるなら俺の味方ではないだろう
だからどうした
世界の果てまで逃げてやる
夢の底まで達してやる
青い空
その下に草原
綺麗な澄んだ空気が肺に満たされる
俺はそんな世界に憧れている
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