煮詰まるため息
向かい合わせのダイニング・ルーム
少し濃い目の苦いコーヒーが
ポットの中 煮詰まり始めてる
いつからだろう 黙りがちの日々
出逢った頃の あのにらめっこには
こんな重苦しさはなかったよね
ため息ついたっていいじゃないか!
僕はクラーク・ケントじゃないんだ
スーパーマンばかり求めないでくれ
お気に入りだったはずのポシェット
止め金のメッキが剥がれかけた途端
押し入れで終身刑もないものさ
カーテンの隙間から流れてくる
陽だまりを運ぶ春色の風が
どうしてだろう 凍えるようだよ
キミはまだポットを眺めたままで
ため息ばかりが煮詰まってゆく
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