ラガービールの追憶

置き手紙ひとつ残さないまま
留守録ひとつ残さないまま
うやむやに消える恋があるなんて

 泡立つグラスに口をつけながら
 頬を赤らめるキミのうるんだ瞳
 束の間のほろ酔いが映し出した
 幻でしかなかったのだろうか

何も言わないサヨナラの味は
ラガービールのように苦かった
キミとなら 続けられる
確信してた僕だったのに

 熱いシャワーにひとしきり打たれて
 冷たい缶を一気に飲み干せば
 まどろみの中 キミが笑ってる

23/12/20 18:20更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c