ホルマリン漬けの想い

「そんなに変わらないでいてほしけりゃ
わたしをホルマリンにでも漬けて
標本かなんかにしちゃいなよ!」

 河川敷で作った レンゲの花飾り
 フリルを揺らす あどけない少女
 陽だまりを抱きしめたあの日から
 いくつ 綿毛が旅立っていったろう

気づかぬうちに上手になってた化粧
シャドーの青が冷たく僕を刺す
追いつけないあせりの裏返しを
これでもかとえぐるみたいに

 キミはひとりで大人に変わって行き
 僕はホルマリン漬けの心抱え
 いつまでもあの日の少女 追いかけてる

23/12/16 20:38更新 / 春原 圭
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