気がつけば一途

披露宴の二次会のオーラスで
キミがあいつと接吻交わすのを
港の蜃気楼でも見るように
ぼんやりと眺めたのが最後さ

 窓の外には何度目かの若葉
 頬杖ついて聞いた蝉時雨
 金木犀が香る庭先に
 いつしか小雪が舞い始めていた

気がつけば またひとりきりの並木道
足元にいくつも落ちてた出会いたち
ただ何となく目をやるだけで
かがんで手を伸ばす気にもなれずに

 見上げる空に二十歳のままのキミ
 俺 そんなに一途だったろうか

23/09/02 20:05更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c