キミが出て行くまで
キミが何か言ったみたいだったが
僕は全く変わらない顔で
鏡に向いて 電気カミソリ
ノドのあたりにすべらせていた…
ホントはちゃんと聞こえてるのさ
頼むから出て行かないでよって
取り乱したいのはヤマヤマだよ
ほらまたキミが叫んでる
それはむしろ僕の方だよ
そんなふうに気にすることはないさ…
キミがドアを閉める瞬間まで
両頬を右手でなでながら
コンセントでカミソリ充電して
傍らの新聞を手に取った…
ドアの外 遠ざかるキミは
そのあとの僕のザマは知らない
それはもう キミは知らなくていい…
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