弔恋歌

鐘の音の 高らかに鳴る
涼風の やわらに流る
我ひとり 遠きに立てり
紙吹雪 舞ふがごとくに
キミが幸 あふれ出たりを
眺むるは 言葉も無きや
誰がために 鐘は鳴りぬる
我がためは 鳴りやたまはぬ
哀しけり キミが笑顔は
側になる 男に注ぐ
遠きにて 我たたずみて
風のみぞ 吹きて行けりに
弔恋歌 ああ弔恋歌
弔恋歌 口ずさむなり
愛しけり キミが笑顔に
須らく 別れを告げむ
キミが幸 永遠のものなれ
側になる 男に託す
我が恋ぞ 野辺に送りて
面影を 断ち切らんとし
我もまた 歩み行かむと
遠ざかり 影となりぬる
キミが背を 送りたたずみ
愛しけり 想ひの日々に
須らく 別れを告げむ
ひとりなる丘のいただき
決裂す 恋を偲びて
弔恋歌 ああ弔恋歌
弔恋歌 口ずさめりは
我が弔恋歌

23/10/12 19:30更新 / 春原 圭
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