初雪

ここ何年か続いた暖冬に
完璧なまでに慣らされた身には
平年並みでは寒すぎて
コートの襟を立てながら
足早に通り抜ける公園

 アパートまでの道のりが
 やけに長く感じられる季節
 裸木と枯葉と吐息の白
 知らぬ間に途絶えた虫の声
 妙に気になる頬のかさつき

ドアのノブに鍵を差し込んで
ふと風景に目をやれば
何年かぶりの細かな粒たち
照れくさそうに漂っていた

26/01/11 08:38更新 / 春原 圭
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