そりゃないだろう仔猫ちゃん
夕立ちの街角 びしょぬれのキミ
雨の中で陽だまりみつけた気がして
家に来ないかと誘ったんだ
ひざで甘えながらじゃれる声も
おいしそうにミルクを飲む仕草も
何もない部屋にキミが運んできた
優しい季節のそよ風だったよ
さよならの言葉さえ残しもしないで
一体どこへ消えてしまったの?
僕の愛情が重荷になったの?
それとも飽きが来てしまったの?
キミが引っかけた爪の痕は
今も僕の手の甲に刻まれてるのに
心だけが寂しさに塗りつぶされて
ミルクの皿ひとつ 床に転がったまま
「そりゃないだろう 仔猫ちゃん」
僕は虚ろに蛍光灯見つめるばかりさ
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