銭湯通い
キミの長風呂は前からだけど
それでもこんな小雪舞う夜に
湯上がりのからだ風にさらして
ひとり おもてで立ちつくしてる
キミを待つのは平気なつもり
それでもこいつばかりは別さ
北風が骨まで突き抜ける頃
「お待たせ」って笑み浮かべながら
赤いハンテンのキミが出てくる
寒さからくるイラ立ちにまかせて
「遅いじゃないか!」と怒鳴りかけ
思わず言葉が止まったのは
冷たい風に運ばれてくる
香りに鼻をくすぐられたから
ふたり 同じ道を帰りながら
「明日セッケンとりかえっこしようか」
つぶやくようにキミに言ってみた
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