銭湯通い

キミの長風呂は前からだけど
それでもこんな小雪舞う夜に
湯上がりのからだ風にさらして
ひとり おもてで立ちつくしてる
キミを待つのは平気なつもり
それでもこいつばかりは別さ
北風が骨まで突き抜ける頃
「お待たせ」って笑み浮かべながら
赤いハンテンのキミが出てくる
寒さからくるイラ立ちにまかせて
「遅いじゃないか!」と怒鳴りかけ
思わず言葉が止まったのは
冷たい風に運ばれてくる
香りに鼻をくすぐられたから
ふたり 同じ道を帰りながら
「明日セッケンとりかえっこしようか」
つぶやくようにキミに言ってみた

25/10/31 07:58更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c