翼の生えた船
キミが帰って行く街は
海の真上に陽の見える港に
いくつもの川が流れてる都
どこかぎこちない僕の笑顔は
精一杯の強がりだろうか
「絶交しちゃうわけじゃないんだから」
山側から降り注ぐ陽射しに
キミの明るさが眩しくて
「また電話するよ」逆光の僕
窓の中から手を振るキミ
翼の生えた船が軽快に
いくつもの島々を縫いながら
波を引きずって消えて行く
キミが帰って行く街は
この細い海の向こう側
少しも遠くなんてないけれど
心も遠くなんてないけれど
25/10/25 19:28更新 /
春原 圭
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