ちぐはぐなメモリー

想いを打ち明けないまま終わったのは
別にキミにあいつがいたからじゃない
話の中に出てくるふたりの様子なら
勝ち目はあったと 今でも思ってる

 僕が挫折したばかりの夢と同じ
 銀幕を目指すキミが いとおしかった
 会社を辞めて 劇団にはいった時も
 自分のことみたいに嬉しかったんだよ

結局 キミがリタイアしたからって
日々の仕事の忙しさにかまけて
昔の夢も キミも薄れかけてた僕が
今さら何を言う筋合いもないけれど

 あいつとは違う男と結婚したこと
 よりによって 僕の父親の喪中に
 年賀状で知らせてくれるだなんて
 最後の最後まで ちぐはぐだったね

25/09/18 15:49更新 / 春原 圭
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