いくつもの断章

自分がひとりの初老の男に
お嬢さんをくださいと土下座する
いまだに想像しがたいものがある

 父親参観日の教室で
 後ろに立って授業を見ている
 まるで別世界のような気がする

ましていつか自分がしたみたく
どこかの若僧に土下座させる
考えも及ばないことである

 キミと浜辺で戯れる僕が
 おじいちゃんと呼ばれる時代は
 それほど遠くはないだろう
 水平線に落ちる夕陽の赤を
 縁側でしぶ茶でもすすりながら
 しみじみと懐しもうじゃないか
 なあ 将来のバアさんや…

23/10/02 18:53更新 / 春原 圭
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