そして和尚は鐘をつく

西陽は山に沈み始めて
ひさしが長く影を落とす
そして和尚は鐘をつく

 遊び足りない子供たちは
 メンコやビー玉拾い集めて
 つまらなそうに家にはいってく
 そして和尚は鐘をつく

勤めを終えた背広の群れは
足早に大通りを行き過ぎる
そして和尚は鐘をつく

 僕たちは西の空見上げながら
 夕陽によく似た想いの数々
 沈んで行くのを止められもせず
 そして和尚は鐘をつく

おばあちゃんたちは両手合わせて
一日の無事を感謝する
そして和尚は鐘をつく

23/10/02 18:51更新 / 春原 圭
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