夕立ちの置き土産

夕立ちが去って行ったそのあとに
虹の行方を探してた海辺
雨宿りの倉庫の軒下
雲間からスポットライトの陽射し
びしょぬれの僕たちを照らしてる

 「あっ ほら見て! あそこに虹が」
 髪のしずくをまるで気にもせずに
 キミは防波堤の方を見ていた

「あの水中翼船に乗ったら
虹の向こうにいけるのかしら」
島影に伸びてく白い航跡が
僕たちと虹を結ぶロープみたいさ

 ひとしきり暴れて去って行った
 夕立ちのステキな置き土産

25/08/08 13:07更新 / 春原 圭
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