酷電の憂鬱

自動改札の前であんちゃんが
残高不足のカードでまごまごしてる
人の流れに押されながら階段を上り
ホームに出てきて 香水にむせて咳き込んだ
ニオイきつすぎるだろうが このアマ
電車が着いて 扉が開くと
降りてくるやつらとドンパチが始まる
すし詰めの中で新聞広げる莫迦がいやがる
ページの角が顔に当たってこすれる
気づいてるくせに 何も言いやがらない
鉄砲水に流されるように電車を降りて
そのままずんずん流されて
出口でキップをむしり取られて
ようやく蛇口から抜け出した
太陽の光が やけに眩しかった

25/05/01 15:30更新 / 春原 圭
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