缶切りがあれば

「ハハハハハハ…」やつは高笑いする
「まあいいまあいい」やつは明るく言う
「そんな莫迦な…」やつはおどける
やつは努めて明るく振る舞い
内に秘めた悩みを決して出さない
やつの思索は 深い悲しみは
やつの振る舞いに堅く包まれて
誰もそれを開く缶切りを持ってないから
そして 缶切りを使うことなど
誰も思いつきゃしないから
「こりゃ何なんでしょうね」とおどける
缶の表面だけを見て満足するのだ
こんなことを言ってる俺も
缶切りの使い方が分からない
「気にするな気にするな」いや気になる
缶は食べられないのだ いや
冗談でなくて 中身を味わいたいのだ

25/04/02 09:06更新 / 春原 圭
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