野良猫は飢えていた

大声で野良猫が鳴いている
ある春先の夜おそく
心ふれあう相手を求めて
せつない声をあげている
カラカラに渇いたその心を
うるおしてくれる相手を求めて
哀しい声をあげている…

 そこへ雌猫が一匹通りかかった
 あっと思う間もなく
 二匹の猫はからみ合い
 そしてお互い激しく燃えた…

が やがて二匹は離れ合い
雌猫はその場を去って行った
あとに残った野良猫は
再び大声で鳴き始めた
その日限りの遊びではない
心ふれあう相手を求めて
また せつない声をあげ始めた…


25/02/01 19:46更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c