飽和状態
貪るように本を読みあさり
足を棒にして歩き尽くし
泡を飛ばして熱弁ぶつけ合い
吸い取るだけ吸い取ったあげくに
使い古しのコットンみたく
どす黒く固まり果てた末に
ポンと抜き取られてしまうなんざ
考えてみればむなしいよね
もう どんな本にも興味がない
歩くのも議論するのも疲れた
ぼんやりと仰向けに転がって
ガラクタ知識を反芻する日々
吸い取ってきたものたちが次第に
どす黒くなっていくのが見える
24/12/13 16:47更新 /
春原 圭
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