幼すぎて

「強い横綱になってくださいね」
それだけ言うの 精一杯だった
周りの大人が悪いわけじゃなく
きっと わたしたちが幼すぎたせい

 好きだからという気持ちだけで
 一緒に生きてなんか行けないこと
 もう少し知らずにいたかったけれど

なぜ わたしと相撲と両方選べないの?
「愛情がなくなった」一言だけで
簡単に背を向けるなんてひどすぎるわ!

 幸せ色の陽だまりに包まれた日々を
 全身からぬぐい去ろうとするみたいに
 稽古場の土にまみれるあなたのこと
 嫌いになるなんて とてもできないの

24/11/29 19:58更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c