だのに 誰もが憎しみ合って
誰がいいやつ 悪いやつ
そんな単純な図式では
表すことなんてできないはず
だのに 誰もが憎しみ合って…
そうさ それは あいつと彼女の
ふたりだけの問題なのさ
彼女は親友に打ち明け
助けを求めてしまったんだ
こうして ふたりの問題は
僕たちみんなの問題になった
誰もが善意で動いてた
誰にも悪気なんてなかった
だのに 誰もが憎しみ合って…
「それは彼女に非があるよ」
「いいや 悪いにはあいつだね」
「あの子ったら いい気なもんだわ」
「彼は素直にあやまるべきよ」
意見は真っぷたつに分かれた
みんなは口々に争った…
こんな展開になろうとは
誰が想像しただろう
それは全く意外な出来事
だのに 誰もが憎しみ合って…
言い争いがやがてこじれ
今度は別のふたりがいがみ合い
続いて他の3人が
僕たちみんなの問題から
いくつものいがみ合いが生まれた
そしてまたそれぞれがそれぞれに…
確か 僕らは友達だった
最高にすばらしい仲間だった
だのに 誰もが憎しみ合って…
「あいつの場合はこうだと思う」
「そっちの場合はああではないか」
「こいつの場合はどうこうだ」
当人をさしおいたまま
外野で罵り合いが始まる
すでに全員当事者だった…
もはや最初の発端なんて
誰の念頭にもなかった
思考の中に何も存在しなかった
だのに 誰もが憎しみ合って…
誰かと誰かが絶交した
あいつとこいつが袂を分かった
あの子もこの子も去っていった
僕らは確かに仲間だった
もはや あのすばらしい友情は
誰と誰の間にもない…
そうさ それは あいつと彼女の
ふたりだけの問題なのさ
だのに 誰もが憎しみ合って…
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