オカリナの風景

傾く陽射しを背に受けて
川岸にすわったまま
あなたはオカリナをふいていた

 ススキの穂に囲まれながら
 こんな秋の夕暮れに似合いの
 哀しいメロディを奏でていた

後ろにたたずんでるわたしは
そんなあなたの背中を見つめたまま
黙ってオカリナを聴いていた

 他には誰もいなかった
 ただ キラキラ光るススキたちが
 オカリナに踊っていた…


24/10/09 19:18更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c