アンタレスのもとで

キミに話す勇気がない
僕の気持ちを打ち明けられない
今宵 このベンチにふたりすわって
見上げれば 夜空に大さそり
その真ん中に ひときわ大きな星
アンタレスは さそりの心臓
あいつの情熱を象徴するかのように
真赤に燃えている
そして気がつく 我が心臓の小ささ
となりにすわるキミの 退屈そうな顔
今こそ話そうと 力んでみるものの
胸の高鳴りがその声を引き止めてしまう
ああ アンタレスよ おまえの赤が
今夜はやけに鮮やかすぎる

24/10/01 22:31更新 / 春原 圭
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