常磐木

春に芽生えた ふたりの恋は
夏の陽射しに照らされて
いつしか ふけゆく秋の中で
落葉とともに 散るという
そして ひとりぼっちの冬
いいさ それでもいいさ
この寂しい冬がすんだら
やがて優しい春の陽が
キミをあたたかく包んでくれるから
そうさ その日のために
ふたたびの恋を得る日のために
北風に乾杯

 まばゆい緑の常磐木たちは
 冷たい冬を耐え抜いて
 若葉のそろう初夏の中で
 人目忍んで 散るという
 そして 再び蝉時雨
 いいさ それでもいいさ
 寂しく消えた落陽たちも
 やがて朝露にきらめいて
 キミの心を彩ってくれるから
 そうさ その日のために
 緑いっぱいになる日のために
 夏の日に乾杯

24/09/02 20:50更新 / 春原 圭
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