見つめるだけの集会室

8階の集会室にはいって
いつも目で探す窓際の席
「今回もまたお逢いできましたね」
言葉を交わしたこともないキミに
心でそっと挨拶するだけで

 恥ずかしがりやでも無口でもない僕が
 キミの前に出ると何故か口がほぐれず
 出逢いの切なさにほぞを噛んでいる

ガラス戸の向こう テニスコート
黄色いボールを目で追いながら
心のラケット取りあぐねた自由時間

 原画が並んで貼られた窓際の席
 ぼんやりと頬杖をつきながら
 差し入れのお菓子を配り歩く
 可憐で愛らしいキミの笑顔
 見つめるだけの恋でした…

24/08/15 11:56更新 / 春原 圭
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