詩人廃業

若さにまかせてムキになった
あのトンガリがすっかり削られて
やさしい気持ちが芽生え出した時
僕は詩を忘れ始めていた

 キミが日増しに大きくなるごとに
 ノートの中の人 薄れてゆく
 心に描いた絵空事の世界
 架空の想い人なんかよりも
 目の前にいる 実体のキミが
 今 たまらなくいとおしい

詩を綴ったノート ぱたりと閉じて
僕はキミをそっと抱き寄せよう
この気持ち 紙の上などではなく
キミだけに注ぐと誓おう

24/06/19 20:15更新 / 春原 圭
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