マドンナがすべった日
卒業以来 5年ぶりくらいに
思いがけず 帰りの電車の中で
あこがれのマドンナだったキミが
僕の肩 後ろからポンとたたいた時
スポーツ新聞の後半あたり
連載モノの官能小説を
読みふけってる最中だった
あわてて新聞をたたむ僕に
いたずらっぽい瞳をしてみせるキミの
右手に競馬雑誌を見つけて
僕の方も思わずニンマリ
満員の車内 客を気にもせず
スーツがすっかり板についた僕たち
顔見合わせてコロコロと笑った
やっと あの頃そうしたかったように
マドンナの座 コロリすべったキミは
この日から 僕の宝物になった
TOP