マドンナがすべった日

卒業以来 5年ぶりくらいに
思いがけず 帰りの電車の中で
あこがれのマドンナだったキミが
僕の肩 後ろからポンとたたいた時
スポーツ新聞の後半あたり
連載モノの官能小説を
読みふけってる最中だった

 あわてて新聞をたたむ僕に
 いたずらっぽい瞳をしてみせるキミの
 右手に競馬雑誌を見つけて
 僕の方も思わずニンマリ
 満員の車内 客を気にもせず
 スーツがすっかり板についた僕たち
 顔見合わせてコロコロと笑った
 やっと あの頃そうしたかったように

マドンナの座 コロリすべったキミは
この日から 僕の宝物になった

24/04/20 20:56更新 / 春原 圭
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c