孤独な彗星
ひとりさまよい続けてた俺だった
誰とも交わりゃしなかった
だけど いつでも心の中じゃ
気の合う仲間を求めてた
温かい友情に飢えていた
けれども どうせ俺なんて
誰からも相手にされやしないさと
半分居直った気持ちで
ただ あてもなく飛び回っていた…
お? あれに見えるは
小惑星の群れじゃないか
卑屈だった俺の輝きが
見る見る色を変えてゆくのが
自分でもよくわかった
人恋しさに身をまかせて
小惑星たちの中へ突っ込んだ…
鈍い感触があった
と思う間もなく 惑星が2つか3つ
はね飛ばされて消えていった
ある者は粉々に砕かれて
ある者はひび割れて
決して消えない傷を残しながら
どの星も 何も語らず
ただ沈黙しているだけだった
俺は無念の思いをかみしめて
彼らのもとから逃げ去るのだった…
足早に飛びながら
俺は哀しくて仕方がなかった
どうしても 仲間に溶け込めない俺
相手を傷つけることしかできない
そんな自分が悔しくて
けれど それよりつらいのは
彼らの冷たい沈黙だった
なぜ俺をなじらない
なぜ責めてこようとしないのだ
胸の中で必死に叫ぶ俺だった…
はじめっからわかってたことなのに
性懲りもなく 他の星に体当たりして
結局相手に傷を残すだけ
やはり 仲間を求めることは
俺には許されないのかと
深い失望に包まれながら
再びあてもなくさまよう俺だった
こらえてもこらえてもあふれ出て
俺の後ろに長く連なる涙の束を
ぬぐおうともしないで
行くあてのないさまよいを
むなしく続ける俺だった…
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