電車に乗ってがたん、ごとん

がたん、ごとん
がたん、ごとん
旅する朝のがたん、ごとん
お客も少ない1号車
端っこの席で閉じた目で
お好きに揺られてひとりきり

がたん、ごとん
がたん、ごとん
呟く昼のがたん、ごとん
座席が埋まった4号車
釣られたチラシに目をやって
流れに任せてひとりきり

がたん、ごとん
がたん、ごとん
白んだ午後のがたん、ごとん
つり革捕まる6号車
過ぎ去る家を数えては
まやかし、夏風、ひとりきり

がたん、ごとん
がたん、ごとん
汗ばむ夕のがたん、ごとん
鞄を抱えて7号車
押し合う人と譲る人
孤島を夢見てひとりきり

がたん、ごとん
がたん、ごとん
静かな夜のがたん、ごとん
暫く息抜き10号車
ふるさと知らせる天の声
寒空、伸びして、ひとりきり

25/12/08 22:26更新 / しゃぼん玉
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