怒りの所在

私を乗せた大地が
脈動し、盛り上がり
存外軽い音を立てて割れる
大袈裟に裂け、波打ち
背後から
黒く灼けた何かの塊が
泥と砂を巻き上げて溢れ
ボコボコと変形する
歪に象られた喉や舌が
何の鳥とも思えぬ声を出し
何の獣とも言えぬ牙を剥く
鬼か悪魔か、はたまた龍か
誰も到達したことのない
地獄とやらの体現か
この淀んでいるようで
澄んでいる一つの感情
自ずから発生し
自ら鎮めることのできない

怒りの、所在

25/10/21 17:24更新 / しゃぼん玉
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