瀬を、歩く
大地の輪郭が溶けて、海と繋がる境界
細かな砂を水に浸して、足を引く感覚
泳ぐ群衆、飛ぶ鳥
その全てから離れてひとり
小さな貝殻を踏みながら
また、一歩
白い線を施して、形を変えていく境界
横から寄せる水の応酬、熱が引く感覚
翻る魚群、凪ぐ藻
その全てをも忘れてひとり
桃色の珊瑚を踏みながら
もう、一歩
深い紺青が揺らめき、底が透ける境界
遥か遠く、灯台を伝い、光へ引く感覚
募る時間、瞬く星
その全てへと導かれひとり
純白の浜辺を踏みながら
私は、一歩
瀬を、歩く
25/08/27 04:48更新 /
しゃぼん玉
いいね!
感想
TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c