鍵盤
眠れない夜は
決まってピアノを弾く
別に習っていたことはないし
運指とか、和音とか
そういうものはよく知らない
それでも、月すらいない夜
寝室に佇むピアノを前に
両の手が紡ぐ鍵盤の調べを
編むような感覚が
私の心を落ち着けてくれる
裸足で歩く床
薄いクッションを敷いた椅子
夜も遅いから優しく
ペダルは踏まぬように
閑かな闇を流る鼻歌と
仄かに澄んだアルペジオ
朝がくるまで、もう少し…
25/08/26 03:26更新 /
しゃぼん玉
作者メッセージを読む
いいね!
感想
TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c