毒、吐く
また、君の夢を見ている
どれも現実ではないのに
混乱、不安、後悔、怒り
そういう感情が押し合い
思い出の優しい君に縋る
そう、君はいつも優しい
それでいて勇敢で勤勉で
責任感は、人一倍あって
踏み出す一歩に躊躇して
楽に生きたがる私と違う
あの日。まだ届く距離に
手を繋げる場所にいた君
君がいない日だったのに
クラスの文化祭の出し物
決めた日があったことを
君は覚えていますか
責任から、逃れられない
そういう、大切な役割を
いない君に押し付けた日
次の日に君は笑っていた
任されたからには。って
そういえばあの日、私は
君とラインで話していた
あの時の、君の気持ちを
私から話せていたのなら
何か運命が変わったかな
君は誰に目立つことなく
裏方の仕事でも頑張って
ひっそりと影で汗を拭く
そんな世界線の君になら
私は君に想いを伝えた?
結局、それはただの妄想
どうしたって私は怯える
どうであれ君は格好いい
君に今好きな人がいるか
そんなのは知らないけど
無い妄想に希望を抱いて
汚い理想に君を投影して
酷い想像で君に愛を吐く
猛毒で脳が犯されていく
変な話聞かせてごめんね
やっぱ苦しいのは私だけ
辛いのは私一人で良いよ
なんて勘違いも甚だしい
主役だったのは君だけだ
これは私の、ただの独白
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