七回目の月
雨上がりの道、カビが生えたみたいな
清々しいとはとても言えない匂いが立ち込める
アクリルガッシュの雲、這い回る脚の長い蟲
行き場をなくした自転車
入日が見えない七月のはじめの夕方
駐車場からひどく飛び出した無数の夏空が
変身前のシンデレラのように美しかった。
微熱を帯びるアスファルト、土埃に纏う絹衣
濁りきった水が映し出す鏡面
掬い取って舐めるのを忘れた三日月
消えそうな七月
もう会えない今年の七月
あと何度、七月の三日月を見上げられるのだろう
25/07/30 12:52更新 /
しゃぼん玉
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