良い心
心病む夏の真昼の軒下は
とぎれとぎれに魔が通る
吹き来る風は水くらげ
注ぐ日射しは砂つぶて
深海漂う両の耳
さびの浮いたまぶたが軋む
地に潜るかと空気が重い
めぐる時間が踏みしだく
意地と言う名の自尊心
怒りはとうに燃え尽きた
ギラギラ光る神経を
誰かが粗い紙やすり
飽きもせずに磨きをかける
大丈夫だよ大丈夫
遠くかすかに聞こえてる
それは私の良い心
ゴマ粒ほどの良い心
25/08/02 11:39更新 /
中谷紅子
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