落ち武者の詩
俺は人生の敗北者だ
負け戦にすら赴かず恐くて逃げた
弱虫兵士だ
幼少の頃は織田信長のような
ならず者だが強き武将だった
反抗期辺りから十字路を
どこにも曲がらず引き返しもせず、
ただその場に立ち竦んだ
やがて大人になり
ぐるぐる後方地点を
彷徨い繰り返し、
時間だけがサラサラ流れていった
もう命の砂時計は積もり積もって
動かないで埃がかぶさってる
周りの景色と流行り廃りと文明
だけが猛烈なスピードで
移り変わっていった
自分だけは歳だけ取った
お子様のままで
一人置いてきぼり喰らった
でもこんな俺にも譲れぬプライド
は心の奥の方で光ってる
心優しき父と母の偉大なる血潮が
ドクンドクンと
脈打つという事実だけは
誰が何と言おうと揺るぎない
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