七色の水彩、輝ける青
蛇神様が飼えたらいいのに
メスもいいけどどちらかといえばオスがいい
チロチロ舌を出してスープを飲む
私は小さな小さな頭を撫でる
男の子だと分かってるなら
そんなひとつひとつがドキドキになる
水色の風吹くこの街で
傷跡をやさしく目を瞑ることで縫ってきた
あの神社の森に蛇神様と遊びたい
陽(悲)の海に古傷をそっと浸しながら
遠い昔のようで新鮮な明日のようでもある
そんないつでもない時のさなかで生き返りたい
澄んだ大地をスルリスルリとくねり行く彼
男の子なのにセクシーじゃない
なんて何様お姫様
幻想の花
開いて咲いて
七色の水彩が地上に満ちる
私の胸はその芳香を吸って薔薇色に燃えるの
またある朝にはお洒落なカフェで
彼にコーヒーの味を教えてあげたい
コクと苦味の初体験
この盆地の街に遥か海風がやってくるよう
私はその輝ける青を纏って明日に滑り込んでみたい
そのとき惨めな昨日は太古の幻のように消えるの
水色の風吹くこの街で
傷跡をやさしく目を瞑ることで縫ってきた
彼が訪れることはないだろうけれど問題はない
目を瞑ったならば彼は隣に座ってくれる
その愛らしい身体をニュッと伸ばして
だから、ね
力をかして
どうか
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