君の瞳と大地の色彩
君は今もなおこの胸に
清らかな水鏡のように映っている
あのしとやかで澄んだ愛想は仄揺れていて
愛らしいあどけなさは浮かび上がってくるかのよう
君の呼び声はまるで夢中のように木霊して
僕を終わりのない白昼夢へと誘う
モンシロチョウの白が田園に淡く
シースルーのブラウスからあの華奢な二の腕が見える
亜麻色の瞳には琥珀のような結晶が宿っていて
その煌めきがこの胸に厳かに降りしきる
冬の女神のようにたおやかで澄ました君へと
恐る恐る近づいていってその手を取れば
可憐な儚さに情熱の稲妻がこの胸を撃ち
咲き始めたあどけない笑顔に遥かな夏が開けてゆく
海岸を君とドライブできたなら
世界の煌めきも切なさも
甘やかさも、きっと
ぜんぶぜんぶこの胸に抱けた
消え入りそうな蝉の鳴き声抱き止めて
海を見下ろしているだろう向日葵
健気にも寂しそうな立ち姿は流れ去り
変わることなく流れる海もどこか切ない
いつかはこの星だって消えちゃうんだって
今が儚いほどに夢のように煌めいて
"海"を2人胸に仕舞えば
帰ったら作ろうねと朗らかに約束をした
ありふれたカレーの仕度こそが奇跡になる
緩やかなカーブを描き続けるほどに
そうして夏は淡く遠のいていき
いつしか2人、秋の小路を歩いていた
しんなりとした静寂に包まれたこの星で
ひとえに掌で君の来歴を想っている
気づけば君はスッと傍に寄り添っていた
あの夏の記憶さえあれば構わないと
ありし日々の君を過ぎ去った季節たちに託して
君の瞳と大地の色彩
それは純真な始まりを告げる音色
物哀しいほどに温もりが溢れ
行く道の果てへと満ちてゆく
ほんのりとしたこの哀しさを
永遠に2人抱きしめていたいー
高い秋空見上げて祈れば
葉っぱがひらひら落ちてきていた
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