冬には凍てつく互いの吐息に
いつも僕はあの橋を渡って
君の元へと通っていた
袂に立派な桜があって
春にはしとやかな散り桜に夢見心地で
梅雨にはしっとりとした緑に胸温められながら
この盛夏にはセミの合唱に胸ときめくだろうけれど
燃える夏のひとときを過ごすのはもう、叶わない願いだ
君が僕に本当には惹かれていないことを悟った
初夏のあの哀しい小雨の昼下がり
秋は女性が1番美しくなる季節だと聞いたし
冬には凍てつく互いの吐息に
魂はわななくように共鳴し合っていたかもしれない
弱さに負けずに想い伝え続けいたら…と思うのは
でもやっぱり、終わった後でだけ可能な仮定さ
また君と身体を燃やし合いたいと
灼熱の季節は僕を誘ってやまない
最後まで君がしおらしかったのは
とどのつまりは心を開いていなかった証なのに
君の最後の儚げな会釈に
僕は身悶えするほどに狂おしくなる
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