何度もキスする真夏日の夢
君に惹かれてしまったのは
君がちょっと抜けてたから
しっかりしてて作業も早くて
その上とびきり可愛いかった
でももし抜けてなかったとしたら
まず好きにはならなかったろう
洗練された女性は苦手かも
ちょっぴり優越感を抱きたい
そんなちょびっと邪な気持ち
その一抹の香料が
恋をバニラアイスみたいに甘くする
僕より20cm低い150cmの背丈
僕に輪をかけてツッコミのできなかったコミュ力
それでいていつもどこか涼し気で
友人のいない君はそれでもみなから敬われていたよね
そうして僕は秋の始まりを想っている
春の麗しさには笑顔の滑らかさが足りなくて
夏の華々しさとも無縁だったけれど
君は静けさの中で誇りに満ちて自足していて
君が笑うと儚くも勇気を貰った心地がした
そんな君と僕は手を繋ぎたかった
2人一緒に秋を深めていきたかった
なかなか人と打ち解けられないこととか
日々が流れていく中で何を残していけるのかとか
そんなこんなを話しながら
そうしていつかズバリ言うんだ
"本当は寂しいんでしょ?"って
泣いてほしいー
なんて言わないけれど
その頬が紅葉みたいに赤くなる
見届けたかった僕はいじわる
君に惹かれてしまったのは
君がちょっぴり抜けてたから
そんな君の赤らんだ頬に
何度もキスする真夏日の夢
アブラゼミの鳴く午後の
遠くて近いあの日々と
近くて遠かった君との距離と
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