あなたと僕の出逢った意味


あどけなくって健気な感じで
それでいながら凛としていて
そしてまた、儚げで

あなたみたいな女(ひと)に
果たしてこのさき逢えるだろうか…
そう思って絶望しかけていたけれど
考えてみれば僕はたったの一度しか
あなたに名を呼ばれたことがなかったのでした
もしかしたら"あなた"という女(ひと)は
この胸の中にしか存在していないのかもしれません

あどけなくって健気な感じだったのは
きっと愛らしい小動物のような顔のせい
凛としてて儚げだったのは
ため息の出るほどに美しかった切れ長の瞳のせい

あなたが僕とのあいだに吹かせていた
無関心という名のひんやりした風
僕の幻想をすり抜けていくようだった
ふとした折の、素朴で淡々とした無表情

案外あなたは普通の女性だったのかもしれないと
知ることのできなかった家でのあなたを想う
バラエティなんか見て、馬鹿笑いしてたりして(笑)
少なくともきっと、いつも星空を眺めてなんかいやしない

それ以上でもそれ以下でもない等身大で
あなたは今日も歩いている
そんなあなたをこの胸に抱けば
逢うことの叶わぬ明日さえ眩しい
あなたが歩き続けていくように
僕も歩き続けていけばいい
あなたと僕の出逢った意味は
きっとそこに尽きている



24/07/25 06:15更新 / はちみつ
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