〈ぼくたち〉の明日
ずっとずっと君は静かに歩んでたんだ
華奢な肩に小さな小さな胸を運んで
海鳴りに〈ひとびと〉の鼓動を夢見ながら
あの日、ベルクハイデには夢が降りしきっていた
君のあの、安らぎを抱いた横顔
牡丹雪が僕と君を隔て続けるなか
亜麻色の瞳は白銀に縁取られながら曇天を抱いていた
永遠っていうものがあるならば
あの日君はそれを抱いていたのかな
それはくすんだ灰色で、まるで
〈ひとびと〉の明日のような物哀しい美しさをしていた
君が仄かにも哀しみを抱こうとしてるんじゃないかと
薪を焚べるのにも一苦労な君の肩を想って
僕はその場で君を抱きしめたくなった
牡丹雪なんか全部なぎ払って
故郷に帰ると僕は温もりに泣きかけたけど
君はやさしくも胸に何かを秘めた目で
暖炉の火に
友達のような星々
扉を開けば雪明りが
ずっとずっと変わらぬ明日を照らしてる
〈ぼくたち〉の明日を照らしてる
はずだったのに―
薪を焚べるのにも一苦労だったあの肩を想うと
僕はいますぐにでも君を抱きしめたくなる
物哀しいベルクハイデまで飛んでいって
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