プリズム

あのビル このビル
向こうのビル
無数の窓に耳を澄ませば
キリリとした君の横顔
ヒールの音

ずっと君は動いてて
ずっと僕は止まってて
交わりっこなかった2本の線
でもこの今たしかに青の線が
ゆっくりだけど曲がりつつある
赤の住まう
きらびやかな方角へと

なんてことない歩道橋
曇天の下行き交う車
ライトが帯になり川になり
この夕暮れが早くも記念日

君の素顔はどんなかな?と
遠き点景を掬ってみる
儚きライトアップ
健気な寝顔は片隅の華
遥か
モクモクとした夜の雲の下翔て
君の睫毛にでも触れれば雷鳴

動いてく時代の波に呑まれながら
小さく巨大な愛だけを探してる

今度は2人手を繋いで
あの歩道橋を歩きたい
そびえ立つビルの窓はプリズム
水色の空に僕らの
愛の虹を架けるんだ


24/06/26 04:48更新 / はちみつ
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