冴ゆる夏
寒いね、と笑い合って寄り添った冬の空
霙がダッフルコートに染み込んで
ただ、寒かった
滑るね、と手を取り合い歩いていたあの日の音
何度もフラッシュバックする
貴方が生きている、なんて
上手くいくはずもなく
ただ残されたのは
交差点の傷痕
太陽に照りつけられながら
また震えるは
寒雨に凍え、貴方の声
何度も思い出す 貴方の事を
暖かいその目の奥
触れられずとも幸せを感じていた
霜を踏み締め、貴方の笑顔
もう二度と 逢えないのなら
僕のその心の奥深くに
しまって、もう忘れてしまいたい
緑の匂いに現実に戻されながら
貴方を感じてしまう、ただ
また、まだ。
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