蒼き竜の楽園

伝わらぬ言葉そのままに
口噤んだまま下を向く
世の中何が正しくて
何が間違っているのか
てんで理解できない
きっとポリシーなんて
在って亡きものなんだね
僕には視えるよ
灼熱の炎と硫黄を吐く蒼い竜が
でも君には見えないかも
そう
誰も気付かないのさ
なにもかもメチャクチャにされたって
『蒼い竜なんて何処に居るのさ?』
君たちは笑うけど
ちゃんと居るよ
ほらすぐソコ
君たちの傍
世の中はだんだん滅びに向かっているけど
君たちはみな知らん振りしてる
僕はただ黙って涙流すけど・・・

蒼き竜が王座につくとき
天使のラッパが鳴り響く
聖なる鉄槌振り下ろされて
世の中はこなごなに砕けるだろう
僕たちはそら
コレでお終いになる
きっとそれもお笑い≠ノなるのかな?

もう涙も枯れ果てた
僕は泣かない
枯れた大地を見下ろすけれど
渇いた心には砂嵐すら吹き荒れない
どこまでも続く地平線に向かって
大声で叫んだって
誰も応えてはくれないのさ

あの日笑ったことも
手をつないだこともすべて
蜃気楼の中へ消えて
ただ哀しみだけが
パンドラの箱の中に残った
口の中に残るにがい憎しみを噛み締めながら
ヒトはしょせん
ヒトを傷つけることしか学ばない
優しさという仮面をかぶりながらも
平気で相手を罵り
唾を吐きかける
一体全体白く濁った目には
何が映るっていうんだろう?
空洞の仮面の裏には
なにがあるっていうんだろう?
それが知りたい
そう、宙に浮いた言葉を手がかりに
人間の真の姿を
この青き竜の支配する果てしない楽園で


24/06/20 00:25更新 / 秋乃 夕陽
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c