闇夜の天使

ココロが
ふやけて
何もかも
白紙に
戻ってしまった

あぁ、
僕はなんて
意気地なし
なんだろう

額を打ち付け
紅く血で
染まった壁を
見つめながら
そう呟く

もしも、
このまま
君が帰って
来なかったら
僕はどうしたら
いいんだろう?

君は純真な
翼を広げ
どこか
遠くへ
飛び立ったまま
僕の手元へは
戻らない

時刻(とき)を
止めたハズの
空間では
古ぼけた
柱時計が
チック
タックと
時を刻んでゆく

まるで、
一分一秒が
僕を責め立てる
みたいに

僕は耳を塞ぎ
僕の目に映る
全てを
無に返そうと
固く瞳を閉じる

けれど、
瞼の奥に広がる
暗闇は
滲みながらも
僕を深い
奈落へと
突き堕としてゆくよ

君は甘い
ピンク色した
果実に
かぶりつきながら
僕から
眼をそらして
偽りの楽園で
優しい笑みを
振り撒く

僕の頬に
一筋の涙が
伝い堕ちるのも
知らずに

どうか、
どうか、
翼を傾け
僕の元へと
戻っておくれ

君だけが
僕を光へと
導く天使

たった一筋の
希望

愛を語るには
遅くとも
遠い温もりを
たぐり寄せ
お互いの闇を
確かめ合うのは
まだ遅くは
ないから


24/06/15 10:43更新 / 秋乃 夕陽
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