梅雨と蝶
雨露な濡れた葉を止まり木に
羽を休める揚羽蝶
何を考えているのか
何をしたいのか
騒ぐ風が大きな羽をユラユラと揺らしても
不安定な足場の上でか細い脚を踏ん張らせ
必死に耐えている
仲間が近くを通り過ぎても
一緒に飛び立とうともせすに
自分の存在をアピールするかのように
黄色に黒い縞の入った羽を
グライダーのように左右へ大きく拡げて
毅然とした態度で葉の上に佇んでいる
いつまでそうしているのか
いつになったら湿った空へ飛び立つのか
分からないけれど
その時は
雨で濡れそぼった羽も少しは乾き
自慢の大きな羽として
雲間から差す眩しい太陽の光の中で
美しく輝かせる事ができるだろう
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