君を想えば

君を想えば想うほど
君の存在は小さくなる
君に近付きたいと思うのに
逆に遠くなるのは何故?

君の存在を追いかければ
追いかけるほど
君はどこか知らないところへ
行ってしまう
こんなに胸が痛くても
気持ちは届かない

君の声を聴いても
心は穏やかならず
ただただ無作為に
同じ考えに囚われるばかり
君の優しさと冷たさは
悪戯に私の人生すらも
狂わせてしまう

夢は?愛は?と問われても
私はなんと答えればいいの?
これが君に対するエゴならば
いっそのこと深い闇へと
堕ちようか?
堕ちた先で待ち受けるものは
果たして更に深い闇か
永遠の安らぎか

愛に狂い
嫉妬に悩まされ
私はいまここにいる
そう、君の知らないところで

私もいま君がどこにいるのかさえ
分からない
まるで盲目(めくら)のように
彷徨い歩き
君を探しつづける

もしも一筋の光が
暗闇に差し込んだならば
君を探し当てることが出来るのに
逆光のなかで
君の姿を見つけるのがこわい
愛するがゆえに
掻き毟りたいほどの
胸の痛みを憶えるでしょう

もうひとり誰かの存在を
認めたならば
どうか定めよ
運命よ
歯車を回しつづける神よ
私と彼とを結ぶ細い糸を
鋭利な刃で
断ち切らないでくださいますように
私の願いが届きますように
  

24/06/08 02:11更新 / 秋乃 夕陽
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